若い頃から、そりゃあもうアホほどエロビデオ、エロDVDを買い漁ってきた私です。当時のVHSなど、平気で4,000~5,000円してましたから、どんだけAVに金を使ってきたことか考えるだに恐ろしいです。

去年末、部屋の大掃除をしていたら、当時のVHSが大量に出てきて(これは話を大げさにするための嘘。本当は長年エロビデオは部屋に積んであり、ブログ記事にするために、あたかも年末掃除したらたまたま出てきた、という具合に書いている)、自分でもこんなに持ってたのかぁ!と驚いたものです。
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パッケージを一つ一つ見ていくと、当時のオナニーの思い出が蘇ります。あー、これはヘビロテしたわ、だとか、これは一回しか見てないわ、とかとか。いつかVHSからデータに変換しないとなぁ~などと思いながら、とある一つのパッケージを手に取りました。

その途端、当時の怒りがフツフツと湧き上がってきました。

私は、どんなAVであっても、「パッケージに騙された!」とか「ヌケなかった!」とかは思うものの、「許せねぇ!!!」と怒ることはありません。しかし、唯一このタイトルに関しては、どうしても許せなかったのです!!!!いつかどこかでぶちまけてやろうと思っており、今ここに書くことにしました!!!!!


タイトルは「着替える女の行為室」。メーカーは、今や私なんぞがとてもとても絡める立場ではないソフト・オン・デマンド様。
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タイトルにある通り、なんと「ただ女が着替えていくだけ」の作品です。若い頃からどんだけマニアックなもの選んで観てたんだよ、と我ながら失笑です。パッケージもこの写真1枚ですから、白虎ってばどんだけチャレンジ精神旺盛なユーザーなのでしょう。しかしまぁ、元来がこういう性癖なので仕方ありません。

さてさて、この作品を購入した私はしっかりと食い入るように見ました。興味を持ったのは、内容だけではなく、その企画でした。

パッケージにある通り、「新人監督カーニバル」と銘打たれたこのタイトルは、「次世代のAV監督を発掘すべく、ソフト・オン・デマンドが、意欲的な新人にそれぞれ、総制作費50万円で、独自のこだわりあるエロの世界を表現してもらった、新シリーズです」とあります。デマンドさんらしい、大胆な企画であり、新人に50万ポンと渡す太っ腹なところも当時から変わりません。そして、パッケージには「SODは本作品の内容に対しての責任を一切負いません」という文面とともに、「なお、本編の最後に個々の監督が持つ携帯電話番号を記載しております、御指導、御鞭撻、並びにクレームの方はこちらまでどしどしコールお待ち致しております。」(原文ママ)とありました。
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店頭でこの作品を手に取ってこれを読んだ時の私は、「私もこの作品を買うことで、いちユーザーとして、AVの制作にちょっとだけ携われる」気分を感じました。どんな作品であれ、AVを愛する者として、監督に一言言うことができる、新人監督を育てることはAV界を支えることになるのです。まさに夢のような企画です。私は本気で、監督に電話しようと思っていたのです。妄想は広がり、あわよくばエロ撮影に呼んでもらえるかもしれない、くらいにも考えていましたよ。

映像を見続けながら、オナニーそっちのけで、良い点・悪い点なんかを自分なりにまとめてメモまで取る熱の入れようでした。ハッキリいって、内容は可もなく不可もなくだったと記憶しています。それでもいいのです、なぜならこの作品は、クドいようですが、

「なお、本編の最後に個々の監督が持つ携帯電話番号を記載しております、御指導、御鞭撻、並びにクレームの方はこちらまでどしどしコールお待ち致しております。」

とありましたのでので、良かろうが悪かろうが自分の意見(御指導、御鞭撻、並びにクレームの方)がどしどしソフト・オン・デマンドさんにコールできるのですから!

意気込んだ私は映像の本編を見終え(ちゃっかりオナニーも終え)、いよいよ、本編の最後にあるという個々の監督が持つ携帯電話番号を待ちました。


わくわく…

どきどき…

おっと、メモの用意…


と・こ・ろ・が・で・す!!!!!!!!!!!

実際に本編の最後にあったテロップは、

「この作品を最後に監督の石塚○郎は退社いたしました。ご了承下さい」
(白虎の記憶ママ)


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


個々の監督が持つ携帯電話番号ねーじゃん!!!!!!!!!!!!!!

御指導、御鞭撻、並びにクレームの方はどこに届けるんじゃぁ!

撮影に呼んでもらえるんじゃなかったんか!!!(妄想)

石塚○郎出てこいや!!!!!!!!!!!!!!
新人監督カーニバル爆発しろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


と、ひとしきり怒ってデッキからVHSを取り出してフルチンのままブン投げました。その時からずっと、私の部屋の床には、当時のままこのVHSが転がっています。決して忘れない怒りの象徴として、これを見るたびに誠実に作品制作をしようと心掛ける反面教師として。

部屋にいると「着替える女の行為室」を眺める時間が増えた そしていつしか「着替える女の行為室」を見ると気持ちが和む自分に気付いた 「着替える女の行為室」と向かい合う時だけ表情が緩む 不思議な力を秘めた「着替える女の行為室」を通して この「着替える女の行為室」と自分を作った人を想う……

…とまぁ、いつかどこかで書いてやろうという、20年越しのこの思いを書かせていただきました。これは本っ当にユーザーとして許せない事件でした。もちろん、今現在少なからずエロに携わり「そういう手法」も理解した私ですが、その当時は騙されたとかでなく、失望したというか、残念だったというか、悲しい気持ちになりました。本気で、これ以来ソフト・オン・デマンドさんの作品買ってないです。笑

そんなエロビデオを見ながら青年時代を過ごした私がこうして同人屋となったわけですが、「おめーも同じ穴の狢だよ」と言われないよう、誠実に、誠心誠意、心を込めて作品制作に打ち込んでまいりますので、今後ともよろしくお願い致します。